ご挨拶
食道閉鎖は出生後すぐに治療が必要となる疾患ですが、依然として胎児診断が難しい疾患の一つに挙げられます。胎児食道研究会は「胎児診断困難な食道閉鎖に、胎児超音波でその神髄に迫り、何とか一人でも多くの胎児を導けないか」という川瀧元良先生のパッションから2021年に設立された研究会ですが、回を重ね、この度第4回胎児食道研究会を2024年11月17日(日)に開催する運びとなりました。
非常に限定された領域を扱う研究会であることもあり、回を重ねるごとにテーマの選定が難しく、大会長のご指名を頂いた時には「さて、どうしたものか…」と悩みましたが、今回のテーマは原点に帰り「胎児食道を診る」と致しました。以前より診断の手立てとして確立されている食道閉鎖の間接所見を改めて確認するとともに、超音波画像診断装置の進歩によって、より明確になった食道の直接所見や食道閉鎖に関わる胎児超音波所見を皆さんとご一緒に学んでいきたいと思います。
更に今回は、食道閉鎖以外の気道・食道の先天異常についてもプログラムに取り入れる試みを行いました。疾患概念はもとより、同部位の解剖学的な知識をより一層深めることに繋がり、皆様の今後の診療の一助になるものと思っております。
また症例報告のセッションでは、例年同様、今回も皆様のご施設からのご発表を公募しております。他のセッションでは、当日の動作の不具合の回避や時間の厳守を目的に、講演そのものは録画放映を予定しておりますが、この症例報告のセッションでは、症例をその場で共有しつつ知識や技術を皆で深めていけるようライブ感を重視しまして、リアルタイムでのご口演を予定しております。皆様のご応募をお待ちしております。
開催方法は、当日の「Web(Zoom)開催」と終了後の「オンデマンド配信」の両方を予定しております。オンデマンド配信は、当日参加できなかった方にもお役に立てるかと思います。
皆様が明日からの臨床に役立つ内容になるよう準備を進めてまいります。周産期領域に携わる皆様のご参加を心よりお待ちしております。
2024年9月吉日
第4回胎児食道研究会
大会長 新谷光央
浜松医科大学 産科婦人科