高橋雄一郎
第49回日本母体胎児医学会学術集会
会長 高橋雄一郎
岐阜県総合医療センター 産科・胎児診療科

 この度、第49回 日本母体胎児医学会を 2027 年(令和9年)8月 27日(金)および 8月 28日(土)の両日、ぎふじゅうろくプラザにて開催させて戴くことになりました。現在、有意義な会となるよう事務局一同鋭意準備を進めております。
岐阜県総合医療センター産科・胎児診療は岐阜県にあります総合周産期センターで、出生前診断、胎児治療、超早産から外科疾患、母体合併症など周産期の最後の砦として臨床の最前線に位置する施設です。また近年は、地域行政とも連携して社会的ハイリスク例の管理も増えています。立場上周産期全体に対する責任を求められるため日々学びが欠かせません。
 テーマは「周産期医療における “time of decision” 」とさせていただきました。いま我々が日々の臨床現場で遭遇し、母子の利益のために、もっとも頭を悩ませている状況からヒントを得て、皆で学ぶ機会をつくれたらと考えています。分娩室での急速遂娩、Grade Aの緊急帝王切開術、重症FGRの娩出時期、胎児治療がいるかどうか、破水例の妊娠継続かの判断、胎児の構造異常での妊娠継続かの判断などなど。そして、産後の母子関係では、養育できるかできないかの判断は人間力が試される状況です。どのようなfactsがあったら、母子分離というcritical (危機的・重大な)decision makingをせざるを得ないのか、その判断は、その状況を整理し、医学的情報で消化し、そして決断してすすんでいくしかない、そんな場面で答えはないかもしれません。今回の学会ではその状況状況でこの一線が“critical” なレベルである、というところを中心に議論したいと思っています。その一線は未だ未完成の部分の方が多いかも知れません。そこが次世代の研究の種になってゆくことでしょう。
 周産期医療を取り巻く環境は少子化ゆえに、より高度な質が求められています。母子の安全のために、医学、工学、そして人間力を発揮してよりよいものにしていくにはどうしたら良いか,みなさまと学べたらと考えております。熱い季節ですが、学びののちに心に清々しさを取り戻して、また日々の現場にお戻りいただけるような、そんな機会にできたらと考えます。
 ぜひ、多くの皆さまにご参加いただきますよう心よりお願い申し上げます。皆さまと岐阜の地でお目にかかれることを心より楽しみにしております。